2013年5月6日月曜日

藝人春秋

藝人春秋
藝人春秋

この本は水道橋博士の友人の友人から頂いた。

以前より浅草キッドや水道橋博士はとても気になっていた。TBSで放送されていた「アサ秘ジャーナル」での政治家とのトークも面白く、読んではいないものの伝え聞く「博士の異常な健康」の内容も興味を惹かれるものだった。

この本では博士の人に対する愛情を読み取ることができる。「藝人春秋」という書籍名からわかるように、付き合いのある芸人とのエピソードを通じ、それこそ「春秋」(歴史)が表される。芸人の歴史を語るというよりも、博士との関わりを通じ、その芸人の魅力を語る。成功秘話などが書かれているわけでもないので、その種の話を期待するとがっかりするかもしれない。ここまで人に魅力を感じ、語れる人というのは素朴にすごいなと思ってしまう。

過去のテレビ番組でも、豊富な知識とさらにその知識を広げようという貪欲さに感服することが多かったが、ここでは博士の持つ人への愛を元にした文章にひたすら浸かるのが良いのだろう。文章は好き嫌いがわかれるかもしれないが、私は好きだ。

この本を読んで、何か(知識など)を得られるということはないかもしれないが、人を好きになることはできるだろう。見えているところだけがすべてでない。人付き合いに疲れてしまったときなどにはお勧めだ。元気になりましたという書評があることも頷ける。

本の中では、芸人でない堀江貴文氏や苫米地英人氏なども含まれている。しかし、彼らの常人とはとても思えないエピソードなどを見ると、彼らも一種の「芸」を持った人に違いない。常人というのが下手をすると、凡人になりつつある今、多少の変態性を良い教訓として得るにも良い本だろう ;-)

ところで、私は一度だけ博士の番組で名前が出されたことがある。「博士の異常な鼎談」というTokyo MXの番組なのだが、佐々木俊尚さんが出演され、「2011年新聞・テレビ消滅」に内容などを話された際に、私が以前提唱していた「3Cモデル(コンテンツ、コンテナ、コンベア)」(詳しくは私の著書をお読みください)をフリップで紹介し、私の名前を呼んでもらったのだ。ミーハーなので、なんか嬉しかったことを覚えている。調べてみたら、あの回が最終回だったようだ。光栄だ。